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バイオディーゼルの将来性と問題点

  >>>バイオディーゼルとは    
クリーンエネルギーとして注目を集めているバイオディーゼルは、他のバイオマスエネルギーと同様に、大きな可能性を秘めており、今後全世界で生産され、市場はさらに拡大していくと予想しています。
しかしその一方で、購入に際して問題となる品質規格の統一や、エンジントラブル、流動点等、まだまだ解決しなくてはならない点も多く、各国、各企業が積極的に問題解決と改善に取り組んでいます。
   
           
<将来性>
現在各国の状況に応じて、バイオディーゼルへの取り組みは
次の三つの方向から行われています。
 
1.環境問題解決

 バイオディーゼルを燃焼した際の二酸化炭素は、“カーボン・ニュートラル”として捉えられています。また、バイオディーゼルは硫黄分を全く含んでいない為、排気ガス中に硫黄酸化物(SOx)の排出が無い上に、炭化水素、一酸化炭素、浮遊粒子状物質の排出を減少させる効果を有しています。これらの理由から、アメリカで2007年から行われるディーゼル車を対象にした排ガス規制では、DPF等の物理的な解決方法と燃料としてバイオディーゼルの利用が必要だと言われています。また、同国EPAは、バイオディーゼルを健康に対する被害の無い代替燃料として認定しています。
 今後、バイオディーゼルが大気汚染や地球温暖化問題の解決策になり得ることは間違いなく、既にそれらに関する調査も進んでいます。特に、地球温暖化問題対策として、京都議定書の批准があり、各国に割り当てられた温室効果ガス(GHG)の削減が義務付けられています。この温室効果ガスである二酸化炭素を削減する方法の一つとして、バイオディーゼルの利用促進は、まさに、的を射た施策だと言えます。既に私たちの関係会社、株式会社パウワウプールは、財団法人地球環境センターから委託を受け、この二酸化炭素排出権に関する事業としてCDMプロジェクト調査事業を行っています。これは、バイオディーゼル製造事業をタイで行った場合に、どれだけの二酸化炭素の排出を削減できるか、またその削減量からどれだけの排出権クレジットを得ることができるか等、今後の二酸化炭素削減に伴う排出権ビジネスを見据えた調査になっています。
 社会が環境問題を重視すればするほど、今後バイオディーゼルへの関心が高まり、使用量が増え、市場が拡大していくと予想されます。
 
2.エネルギー施策

 各国の化石燃料への依存度、特に中東への依存度は、かなり高いレベルになっています。その中でも日本は、石油のほぼ100%を輸入に頼っており、湾岸戦争やイラク戦争の様な紛争が起これば尚更、自国のエネルギー確保に対する不安が高まってきます。
 バイオディーゼルは、その原料を油糧植物(菜種、大豆、ひまわり等)に依存する為、国内での原料生産が可能となり、エタノールや他のバイオマスエネルギーと共に、現在の化石燃料依存率を下げることができます。実際に軽油の輸入率を下げる方法の一つとして、タイはバイオディーゼルに注目し、現在普及活動を行っています。
 他の新エネルギーとの競合で特に注目されるのは、水素を利用した燃料電池です。現在国家政策として、アメリカを初めとする先進諸国がその開発に取り組んでおり、技術的に完成度が高くなるのはそれほど遠い話ではありません。しかし、一般的に利用されるには、インフラストラクチャーの整備をする必要があり、整備が整うのは15年〜20年先ではないかと予想されています。そしてその間に、代替燃料として確実にポジションを得るのがバイオディーゼルをはじめとするバイオマス・エネルギーです。地方完結型のエネルギー循環システムが、新しい産業と既存産業の繁栄と共に構築されることにより、水素関連エネルギーは全国区、バイオマスは地方区として、その地域に密着したエネルギー資源になっていくと考えられます。まさにこの考え方が、“地域資源・エネルギー循環型社会構築プロジェクト”のコンセプトです。
 
3.農業振興

  現在アメリカでは、タバコ生産農家やピーナッツ生産農家が売り上げ減少の為に転作や、休耕地として放置と、農業に問題が起きています。日本でも、休耕田の拡大という問題があり、これらをどう活用するかという事が頻繁に議論されています。
 一方、ドイツでも同様に休耕地の問題がありましたが、現在では菜種の作付面積を年々増やしており、これをバイオディーゼル製造原料とする政策をとっています。アメリカでも最近、転作作物の候補としてバイオディーゼルの原料である大豆、またはガソリンの代替燃料・エタノールの原料になるとうもろこしの栽培が盛んに行われるようになってきました。
 これからバイオディーゼルを含むバイオマスエネルギーと農業を併せた施策は、食料の自給自足率のみではなく、エネルギーの自給自足率を高めていく上でも非常に有効であると言われており、今後色々な施策の基に、バイオディーゼル等のバイオマスエネルギーの原料や油糧植物の作付面積が増加するのは確かだと言えます。
 
<問題点>
利点の多いバイオディーゼルですが
まだ解決されていない問題も多く残っています。
 
a.品質管理

 バイオディーゼルは、原料の性状によって製品の性状が変化する為、様々な問題があります。特に廃食用油を使用した場合、様々な油を混合して原料にする為、製品にした際の品質管理が大変難しくなってきます。
 また、B100等の高濃度のバイオディーゼルを使用した場合、エンジンの燃料供給ホースがゴム製の場合、劣化の速度が速くなる為注意しなければならない事や、寒冷地等の非常に寒さの厳しい場所では、流動点を下げるために添加剤を使用しなければならない事等が挙げられます。添加剤は軽油にも使用されていますが、バイオディーゼルの方が、軽油より一般的に流動点が高いために問題が起き易くなります。
 保存の場合も、軽油に比べると酸化される速度が速く、いたみやすいので注意が必要です。全米バイオディーゼル協会では、保存後六ヶ月以内に使用することが望ましいと言われています。
 
b.コスト

 原料の油糧植物の多くは、その季節によって値段の変動があり、製造コストが容易に原料価格に左右される要素を持っています。その上、ほとんどの地域では、製造コストを軽油と比較した場合、バイオディーゼルの方が高くなっており、販売に関しては、税金免除や購買助成金等の施策支援がなければ普及が難しいのが現状です。
   
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